量産技術開発 部門長インタビュー

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技術革新が止まらない、半導体業界。
中でもキオクシアは世界に向けて、つねに最先端のメモリ製品を開発し届けている。
そのシェアはトップクラス。量産体制を整え、支え、安定供給のカギを握るのが、
前工程量産技術開発を担うエンジニア。どんな仕事なのか、部門長に話を聞いた。

Profile

(写真)村濱 優一郎(Yuichiro Murahama)
第一フラッシュ製品技術部 部長
1990年入社。多摩川工場でMask ROM、NAND型フラッシュメモリの製品開発に携わり、2012年より先端メモリ開発センターにてメモリデバイス開発に従事。2021年より現職。前工程の量産における技術開発と生産体制構築を担う第一フラッシュ製品技術部にて、新規世代の製品立ち上げ、歩留り・品質改善を中心に量産移管と製品の安定供給に尽力。

- まず、第一フラッシュ製品技術部のお仕事について、教えてください。

キオクシアは半導体メモリの研究開発から企画、設計、試作、評価、量産まで一貫して自社完結し世界中に製品を供給していますが、その中で私たち第一フラッシュ製品技術部の役割は大きく2つあります。まずひとつ目が、新たに開発された製品の量産技術の確立です。半導体は非常に多くの工程を経て生産されますが、その前工程といわれるウエハ加工の製造プロセスの開発を行っています。ウエハとは、フラッシュメモリをはじめ、あらゆる半導体チップの基盤になる材料で、酸化や洗浄、成膜といった加工を経て製品化されますが、その実作業を担うエンジニアをはじめ関連する部門と連携して、量産化のラインを立ち上げます。先端メモリ開発センターが0から1の開発を、そして私たちはその1を10にするイメージです。もうひとつの役割は、量産化に移行した製品の監視管理、つまり品質チェックや歩留り改善です。電気的な視点から、規格に準じた製品になっているかを確認し、ロスを減らし、よりよい製品へとブラッシュアップします。この他、既存製品に対するお客様個々のニーズに応えるのも、私たちの役割です。一口に半導体メモリといっても、お客様によって様々な規格を求められます。人の感覚では感知できないような精緻なレベルの要求に応えながら、量産を実現させています。

- 今回の、キャリア人材募集の背景について、教えてください。

ある世代の量産技術を確立しても、品質を維持するためには、継続し量産ラインを監視管理する必要があります。「量産プロセスを設計したら終わり」というわけではないんですね。四日市工場は、世界最大級のメモリ生産量を誇るため、その生産量に比例し日々浮き彫りになる課題も桁違いです。その課題解決に対する考察、分析、実行する力を必要としています。量産ラインの立ち上げと、実際に稼働したらこちらもまた、品質管理や歩留り改善といった業務へと拡大します。信頼できる製品を世界へ届けるために、プロジェクトを推進できる人材を求めています。

- 異業界出身者も多く活躍していると聞きました。

私の部下に自動車の材料関連企業からの転職者がいましたが、生産技術設計に携わった経験を活かし、入社当初はプロジェクトマネジメントを担当してもらいました。もちろん半導体業界ならではの専門用語や知識はなく、入社当初は会議の内容を理解するのも難しそうでした。そんな彼も今では、次世代メモリの開発に第一線で携わっています。もともとコミュニケーション能力が高く、わからないことはどんどん質問する方だったので、吸収も早かったのでしょう。私たち現場も「最初は分からなくて当たり前」と思って接しますので、遠慮せずにどんどん聞いてほしいです。半導体の基礎知識を学ぶ研修やメンターがついてのOJTもありますし、部門独自の教育プログラムも実施しています。各分野のエキスパートが、仕事に直結する知識やスキルを丁寧に教える講習を実施しているので、安心して飛び込んでください。先ほどお話ししたように、キオクシアは半導体メモリの企画から量産まで一貫して手掛けており、様々な部署と業務連携があります。適性や志向を確認し合い、社内での異動もしやすい環境です。経験を活かしながら成長できる場がきっとあると思います。

- 活かしやすい経験やスキルなどがあれば、教えてください。

電気電子、物理系をはじめ電子工学や化学、材料化学、機械工学など、どんなバックグラウンドであっても活かせる環境がありますが、量産技術開発部門では、数学や計算科学などのスペシャリストも多く活躍しています。品質管理や歩留り改善に取り組む中、試作あるいは量産過程でたくさんのデータが排出され蓄積されます。それを統計学や演算を踏まえ、データ解析し課題を解決します。課題に対するアプローチはひとつではないので、半導体がわからなくても数字に強い方ならではの方法で、解決に貢献することが可能です。もっというと、キャリア採用の方には、何十年も当たり前だと僕らが思ってきた部分に、新しい風を吹き込んでほしいという期待もあります。キオクシアは半導体業界の中でも「データを記憶する」部分に特化しています。生活に必要不可欠でスマホやパソコンなどに内蔵されますが、いずれもデータ量は増える一方です。4K、8Kとテレビも然り。製品の発展にはメモリの向上が不可欠なのです。物質的な枠を超えて、クラウドも私たちの技術が活かされています。さらに今後車の自動運転やロボット分野などが発展すれば、半導体メモリの容量や需要は爆発的に大きくなるでしょう。ですが、ただ単にメモリ容量が増えればいいかというとそうではなく、業界内での差別化は必至です。キオクシアは世界初のメモリ技術を発明したアドバンテージがありますから、付加価値の高い領域にフォーカスできる土台があります。そこに皆さんの新しい視点をもたらしてほしいのです。またプロジェクトは数百人規模で動いています。俯瞰してみる力や、部門をまたいで連携させる力も重要です。

- 最後に、記事を読んでいる方に、メッセージをお願いします。

誤解を恐れずいうと、キオクシアは失敗に寛容です。「失敗は成功の母」といいますが、新しい発想、自由な発想を大切に考えているからです。量産技術開発の仕事は顧客に近く、身近な製品に組み込まれ手に取ることもでき、世界に貢献している実感を持てますが、基礎研究に携わるエンジニアはもしかしたら、「入社から20年何も形になっていない」ということもあるかもしれません。それでも、挑戦しなければ何も生まれない。私たちのものづくりは一朝一夕には成し得ないと、会社の理解があります。成果主義が重視される現代では、貴重な風土だと思います。基礎研究をとことん追求したい人、成果を実感したい人、様々な志向とバックグラウンドを受け入れる土台があります。どんな業務に携わったとしても、新しい製品や課題に向け、正しいと思うアプローチを自分で考え提案し実際に取り組み、思惑通りの結果がでたときには、言い表せない感動があります。半導体の知識がないと尻込みせず、いろいろな方と遠慮せず会話し学びながら成長して、チャンスを果敢につかみにいってください。新しいものを生み出す風土と環境は整っています。ぜひチャレンジしてください。

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