メモリ新製品の量産を立ち上げて世界市場に送り出すのが、量産技術開発エンジニアのミッションです。製品開発と大規模生産の間に立ち、ものづくり・技術発信の要となって活躍している4名のエンジニアに、仕事の魅力、印象に残っているエピソード、働く環境などについて、語ってもらいました。
Profile
第一フラッシュ製品技術部 K.S
2018年度キャリア入社。理学部物理学科出身。前職は光学機器メーカーで、光学部品の製品技術を担当。ウェハの製造プロセス開発に関わったのが、半導体に興味を持つきっかけに。
第一フラッシュ製品技術部 T.I
2018年度キャリア入社。大学では工学部で金属工学を専攻。プリンターメーカーでプレス成形部品等の量産立ち上げ業務を手がけるなかで、より成長性のある業界を目指して転職。
第二フラッシュ製品技術部 T.H
2020年度キャリア入社。専攻は金属系の材料工学。前職で主に金属性耐熱炉などBtoB向け金属製品(鋳物)の品質管理業務に携わる。品質管理において、製品・開発寄りのキャリアを志すようになり、折角ならば今後の需要拡大が一層見込まれる最先端の製品を扱いたいという思いからキオクシアへ。
※座談会の内容は取材時のものです。(2021年12月取材)
半導体業界の将来性と人にやさしい風土がポイント。
- キオクシアのどういった部分に魅力を感じて入社を決めたのですか?
私は半導体の先進性と業界の将来性に惹かれました。入社した2018年は、ちょうど東芝メモリからキオクシアに生まれ変わった年。フラッシュメモリという製品に基軸を置いて、独立したメーカーとして歩もうとする企業の状況を知って、一体感のある仕事ができそうだと感じたことが決め手になりました。
やはり成長性ですね。いろいろなものがネットにつながり、データが加速度的に増えていくなか、フラッシュメモリはますます重要な役割を担って伸びていくと確信を持てました。選考の際に見学した四日市工場のスケール感にも圧倒されました。工場=ラインで人が沢山働いているというイメージでしたが四日市工場ではあらゆるところで全自動化が進んでおり、まさに「最先端」という印象でした。既存の工場のイメージをはるかに超えていましたね。
私は人の良さですね。面接時は、部署についてパワーポイントで分かりやすく説明してもらえたので、実際の業務内容を詳しく理解できました。こちらからの質問の機会も用意されていて、自分が働く姿を具体的にイメージできたのが良かったですね。
信頼性や歩留まりを改善し、新製品の生産性向上を図る。
- 現在の業務について聞かせてください。
前工程担当の第一部で、新製品の量産技術開発の一翼を担っています。私は品質改善のグループで、クリーンルームから出力されるデータを解析して、最適な生産条件を見出し、量産品の品質改善を図ることが主な業務です。研究開発・プロセス・生産技術・製造など、多くの関連部署と連携しながら取り組んでいます。
私も同じ第一部で、信頼性改善のグループに所属しています。メモリに書き込まれたデータが壊れたり、読み取れなかったりすることのないよう、新製品の信頼性を高めるのが任務です。信頼性を達成しつつ、量産化に必要な生産性も確保できる生産条件を見出すために実験を繰り返し、バランスの取れたプロセスの構築に取り組んでいます。
後工程担当の第二部の歩留まりグループに所属して、量産品の歩留まりを改善する業務を担当しています。試作段階から量産に至るまで歩留まりの分析を通して原因工程にフィードバックを行っています。前工程・後工程の関連部署や、海外の製造拠点と協力しながら改善をすすめています。
失敗も学びとし、将来の大きな成果への道を開く。
- これまでで、最も働きがいを感じたプロジェクトは?
2020年11月に入社してまだ製品と業務内容、分析などについてOJTを受けていた時、急ぎ分析・解析が必要な不良が発生し、タイムリーに対応したことです。重要な役割で責任がありましたが、同僚のサポートのもと、やり遂げることができました。異業界出身・半導体未経験で立ち上がり中の身でも、力を尽くせば活躍の場が与えられる、大きく成長できると納得して、とても嬉しい体験でした。
入社して間もない時に参加した新製品の品質改善プロジェクトが、私はいちばん印象に残っています。どうしても解消できない不良があり、これ以上のアプローチは難しいのでは…という状況でした。しかし、ある実験をしたところ、結果は大失敗だったにもかかわらず、それまでにない現象が発生したのです。何かあると思って、とことん原因を突き詰めた後、同じ失敗を起こさないよう、逆張りで対策を打つことに。すると、何と不良が改善され、次世代の製品に反映されることになりました。失敗を失敗で終わらせず、なぜ失敗したのかを解き明かして次につなげよう…というキオクシアの文化を体現しました。また、当時は入社して間もない時期。正直、プレッシャーもありましたが、周りのサポート体制も厚く、やり切ることができました。
私の場合は、高い信頼性が要求された新製品を立ち上げた体験です。量産化の土台になる信頼性改善プロセスの開発で、デバイス開発のスペシャリスト、生産技術や後工程のプロフェッショナルなど、広い範囲のエンジニアと関わって進めた案件です。実験ロットでデータを取り、そのエビデンスをベースに関連部門と意見を交わしながら、最終的に仕様を満たすプロセスに落とし込むフローを実践して、幅広く奥深い知見が身につきました。 信頼性や歩留まり・品質など様々な要求に関して、トレードオフを取りながら最適解を生み出していくことがまさにこのポジションで達成感を味わえるポイントだと思います。
良いものを生みだす根源は熱意あふれる社風と働きやすさ。
- 会社の風土や働く環境はどうでしょうか。
トライしてみたい技術など、やってみたいことを提案すれば、自由な挑戦を認める風土が定着しています。量産技術開発は、いろいろな部署と意見を交わす機会が多いのですが、皆さん積極的に応じてくれて議論が盛り上がるので、触発されます。いいものをつくろうという目的意識が全員に共通していて、熱意にあふれた一体感を感じ取れるのもいいですね。
量産立ち上げが間近になると忙しくなりますが、軌道に乗ると落ち着きますし、後は月の〆・期の〆が比較的忙しいくらいです。半休や有休も取りやすいですよ。さらに一定の年数勤務すると、ステップ休暇といって1週間ほどまとめて休める制度があるのもいいですね。
教育制度が充実しているので、半導体の業界経験や知識がなくても、まったく心配はいりません。中途入社の人が多いので、受入れ研修その他のサポート体制が整っており、私自身、すんなり入り込めて、すぐに仕事に打ち込むことができました。
また、近年はコロナの影響で在宅勤務が浸透しました。業務によっては自分の仕事のペースで出社・在宅が決められるのも魅力のひとつだと思います。私も通勤時間がなくなった分、運動をするなどリフレッシュの時間に充てられています。
未経験でも異業種でも、様々なエンジニアが活躍できる。
- ご自身のこれからの目標についてお話しください。
ひとつの技術に特化するより、全体を俯瞰して見られるゼネラリストを目指しています。いろいろな部署を経験して、将来的に四日市工場全体をコントロールできるようになれたらと願っています。
現在の製品開発工程のスペシャリストになるのが当面の目標です。ゆくゆくは、他部署への異動や研修、自己啓発を通して、ものづくりをトータルに牽引できる技術者を視野に収めています。
まずは、いま担当している信頼性技術に詳しくなること。長期的には、新製品が開発から量産へスムーズに移行できるよう、道筋を的確に提示できる存在になりたいですね。
- では最後に、応募を検討されている方へのメッセージを。
私は金属業界から転職しましたが、教育研修が充実しているので、モチベーションを高めながら新たな分野に取り組めています。半導体未経験でも心配しなくて大丈夫ですから、ぜひチャレンジしてください。
次々と新製品が立ち上がっていて、新しい技術と出会える機会でいっぱいです。とても魅力的な環境なので、少しでも興味のある人は、ぜひ応募してみてほしいですね。
半導体の量産技術開発は分からないことの連続なので、探究心を持って問題の原因を突きとめる力が求められます。自ら問題を定義する自主性も大事ですし、スケールの大きい工場なので、人を巻き込む力も必要です。探究心・自主性・巻き込む力の三つを発揮して、一緒にキオクシアを面白い会社にしていきましょう。