生産技術 オンラインエンジニアインタビュー

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日本有数の半導体の開発・量産基地として、ワールドワイドでトップクラスの規模を誇る四日市工場。生産技術部には幅広い専門分野の出身者が集まり、その世界最大級のものづくりの要の重責を果たしている。今回はキャリアで入社して活躍している5人のエンジニアに転職者目線で、仕事と会社について語っていただきました。

Profile

第一生産技術部 K.F
2010年度キャリア入社。専門学校で情報処理を専攻。前職は家電量販店でインターネット回線の営業。製造業の経験もあるが、まったくの異業種・未経験からの転職。

第二生産技術部 K.S
2014年度キャリア入社。大学院で半導体プロセスについて研究。前職も半導体メーカーで、アナログLSIのプロセス開発に5年ほど従事。

第二生産技術部 M.S
2014年度キャリア入社。大学で機械工学を専攻し、前職の半導体メーカーに入社。約10年、ロジックデバイス製造部門で品質管理業務を担当。

第三生産技術部 S.I
2020年度キャリア入社。大学で電気電子システム工学を専攻し、前職の自動車機器メーカーに就職。5年ほど、はんだ付け装置の工法開発に携わる。

第三生産技術部 Y.M
2015年度キャリア入社。大学で核物理学を専攻。前職も半導体メーカーで、ドライエッチング装置の立ち上げ・改善等の業務を約7年経験。

※座談会の内容は取材時のものです。(2021年12月取材)

異業界出身と同業界出身、どちらにもチャンスがある。

- 最初に、皆さんがキオクシアに転職した理由を教えてください。

ものづくりの仕事に就きたいと思って転職先を探していたときに、当時東芝だった当社に出会いました。メモリはスマホなどに使われていて身近だと感じたこともあり、半導体の知識・経験がない点は不安でしたが、入社してから学べば何とかなるだろうとポジティブに考え応募しました。

私は以前から、半導体のプロセス開発の分野でキャリアを積みたいと望んでいました。ただ、前職の半導体メーカーは業績が伸び悩んでいて、新しい開発の機会に恵まれない状況でした。転職活動を始めた2014年頃は、フラッシュメモリが2次元から3次元構造へと大きな転換期を迎えていたときで、当社なら先進的な開発に打ち込めると確信して入社を決めました。

私の場合は東海エリアに転居したのがきっかけです。もちろん、前職の半導体メーカーで培ったスキル・経験を活かしたいという気持ちが第一で、 ぴったり当てはまったのが、ここ四日市工場でした。規模が大きい・技術力が高い・将来性があるといった数々の強みを兼ね備えていたからです。

私は新卒で自動車機器メーカーに就職し海外工場の立ち上げにも参画するなど、当初はやりがいが十分でしたが、コロナ禍などのさまざまな理由で、自身の担当する工法開発がストップしてしまい、新たなチャレンジができる環境を求めて転職を考えました。そのなかで出会ったのが当社です。半導体はとても緻密な生産技術の集大成なので、きっと最先端の工法開発のチャンスがある、前職の経験も活かせると判断して、今年2021年の2月に入社しました。

リーマンショックなどを経験するなかで、私も正直、前職の半導体メーカーは先行きが不透明で、将来が不安でした。同業界の立場から、安心して働けてかつ技術力も非常に高い半導体メーカーは当社が筆頭だと認識していたので、迷わず転職を決断しました。

一口に生産技術といっても、実際の仕事はいろいろ。

- 現在はどのような業務にあたっているのですか。

この座談会に集まった5人は全員、3次元フラッシュメモリに関する生産技術業務に携わっています。私が担当しているのは、TAT(Turn Around Time)の短縮を図るための改善活動です。積層数が増加すると、これまでになかった課題も出てきますので、一つ一つの課題を洗い出して対策を考え、できる限り短工期の量産体制を構築するのが私のミッションです。

私は入社して8年になりますが、一貫してBiCS Flash™のプロセスインテグレーション業務に関わってきました。第2世代から第4世代まで、歩留まり改善業務に取り組んだ後、最近までは2年ほど岩手県北上工場の立ち上げに参画しました。そして今年2021年の秋に四日市工場に戻り、プロセス改善業務に着手したばかりです。

同じくプロセスインテグレーションの部署ですが、K.Sさんのチームがプロセスモジュールごとのユニットに分かれて要素技術の改善を進めるのに対し、私のチームは各ユニットと連携し、プロセス全体の最適化を図る役割を担っています。そのなかで私はイールドマネジメント、総合的な歩留まり改善業務を受け持っています。

私の部署はプロセス改善や歩留まり改善を軸に、半導体製造装置の仕様検討・導入・立ち上げ・管理等プロセス技術全般に広く関与しています。 またリソグラフィやCMP、CVDといったプロセスごとにチームがあり、私はその中でDRY装置を担当しています。業務としては歩留まり改善をするためにプロセス条件の作成・検証を行い、装置メーカーと議論を重ねて装置のパーツ開発なども行っています。

S.Iさんと同じ部署で、私はCVD装置を担当しています。製造装置にも次世代型への革新が求められるため、装置本体や付帯機器のメーカーと連携して、仕様の検討・策定から設計・製作・立ち上げの管理、工期短縮まで、一連の業務を統括するポジションです。キオクシアではプロセス性能はもちろん、省エネや環境対策、製造現場での使いやすさなど、すべてに標準を上回るレベルの装置導入に努めているので、あらゆる目線から多角的に取り組んでいます。

誰もがチャレンジングなテーマに立ち向かっている。

- これまでで、最も働きがいを感じたプロジェクトは何ですか。

製造設備の能力管理の仕組みを一元化した取り組みです。それまでは、リソグラフィやドライエッチングなど、プロセスの各ユニットがそれぞれ設備の能力を計算して、投資計画を立てていたため、ユニットによって設備投資の進め方がまちまちになっていました。そこで生産技術の私が全ユニットを横断する立場から、能力計算の仕方を統一し、共通の指標の下で能力を管理する仕組みを創出し、設備投資の効率化につなげたのです。5年ほど前の案件ですが、この仕組みは現在も投資計画の立案に使われており、企画から設計・立ち上げ・運用までチームで手がけただけに、一番印象に残っています。

私の部署は、プロセスの改善による歩留まり向上を取りまとめる役割を担っています。生産技術部の他の担当をはじめ、関連する多数の部署のエンジニアとやりとりしながら、チップの不良発生箇所の断面構造からその不良がどうして起こるのかをモデル化し、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)のバランスが取れた対策を考えて評価するといった業務を遂行しています。結果が歩留まり改善の数字に反映されること……端的にいえば、生産量や収益の増大を示す数字として、成果が目に見えて分かる部分は、働きがいを実感できて嬉しいですね。

私も歩留まりの改善を担当しています。不良の発生をゼロにできたら理想的ですけれど、現実はそうはいきません。構造が2次元から3次元へ立体化し、微細化や積層化が加速するにつれ、どうしても新たな不良が発生するからです。こうした状況のもと、私のチームは製造プロセスの過程でいち早く問題を発見し、直ちにフィードバックすることで、速やかに歩留まりの向上に結びつけようと活動しています。具体的には、検査・計測、メカニズム解析、プロセス開発など多くの部署の方々と連携。非破壊検査、シミュレーション、AI、データサイエンスといった先端技術を取り入れつつ、お客様に良いものをローコストで早くお届けしようと取り組んでいます。こうした製造業の永遠のテーマを追求する毎日が、私には何よりの働きがいです。

プロセス改善等による投資費用削減の取り組みですね。億単位で会社利益につながるため、毎日に手応えを感じています。さまざまな部門と協議しながらトライアル&エラーを繰り返して、ゼロからイチを生み出す。難しくて苦労も多いですが、難しいからこそ、苦労するからこそ、チャレンジングでやりがいが大きいと肌で感じて頑張っています。

四日市工場では、最先端の半導体製造設備がそろい、最先端の3次元フラッシュメモリを生産しています。そのなかで私は、建設中の新工場棟への導入を視野に入れつつ、CVD装置の立ち上げを進めています。とはいえ、最新の設備には最新のトラブルが付き物です。最先端ゆえの未知との遭遇だけに一筋縄ではいきません。その分、フロンティアとして携わる醍醐味を味わっています。

メリハリをつけて働ける。福利厚生のサポートも手厚い。

- 四日市工場の風土や環境はいかがでしょうか。

キャリア入社の人も多く、同業界、異業界問わず、多彩な専攻・分野の出身者が活躍しています。本当に十人十色で、個性の強い方もいらっしゃいますが、皆さん優しくフレンドリーですから、何かあれば優しくサポートしてもらえます。

Flashメモリは開発競争が盛んであり、当社はスピード感にあふれる企業だと思います。先んじて新しい技術に取り組む文化が根付いており、エンジニアとしてさまざまな経験ができる環境だと思います。

有休などの休みも取りやすいので、メリハリをつけて働けます。ノー残業デーはもちろん、「今日は定時で帰ろう」とか、ワークライフバランスを保ちやすくていいですよ。

色んな部署にプロフェッショナルがおり、社内でさまざまな知見を吸収できることです。面識のない人に電話などでいきなり問い合わせることもありますが、皆さんとても親切に教えてくださいますよ。また、社内サーバーにはナレッジが多数蓄積されており、気軽にアクセスできるのも嬉しいポイントですね。

四日市はほぼ日本の真ん中に位置していて、名古屋まで30分、大阪まで1時間弱、東京へも2時間ほどで行けます。一方で伊勢志摩などの観光地にも近く、三重県のゴルフ場や岐阜県のスキー場などアクティビティにも適した立地です。ほどほど都会で、ほどほど田舎で、家族ともども住みやすい街だと喜んでいます。

- 最後に、入社を考えている方へのメッセージをお願いします。

幅広い分野の技術が求められる仕事なので、どのようなバックグラウンドの方でも活躍できます。チームワークで一丸となって、目標達成を目指す風土のもと、新しいメモリの世界を一緒に開拓していきましょう。

メモリは、クラウド、IoT、AI、自動化など、これからの技術の主流に必要不可欠な製品です。将来に不安を持たずに長く働きたいと思っている方は、特に注目ですよ。

私のように異業種・未経験からの転職でも教育研修が充実しているので、着実にスキル、キャリアを伸ばしてこられました。上司や先輩もしっかりアシストしてくれます。成長できる環境が整っているので、迷わずにチャレンジを。

ものすごくスケールの大きな工場で、新しいものづくりの一翼を担って活動できる場です。日々、新しく何かが起こるのを目の当たりにしながら、日々、成長している自分を実感できます。皆さんご応募していただけると嬉しいです。

キオクシアついて詳しく知りたいという方は、キオクシアグループのYou Tube公式チャンネル[KIOXIA-JP]をご覧になってください。四日市工場やフラッシュメモリに関する動画がたくさんアップされているので、イメージをつかめると思います。

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