異業界出身エンジニアインタビュー

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半導体と聞くと電気・電子工学出身の方が活躍するイメージをもつかもしれない。
でも実は、四日市工場には化学のバックグラウンドを持った出身者も多く、
半導体業界外からのキャリア転身者も幅広いフィールドで活躍している。
実際に異業界から転職し、現場の最前線で活躍する若手エンジニア4人に話を聞いた。

Member Profile

(1)メモリ技術研究所 Y.M.
2020年入社。大学で単分子化学の研究に取り組む。前職は大手化学企業で材料の研究に従事。

(2)メモリ事業部先端メモリ開発センター K.I.
2021年入社。専攻は高分子化学・有機化学で材料を研究。大手化学メーカーや材料分析を行う企業を経て現職。

(3)第一生産技術部 S.S.
2021年入社。アメリカの大学で化学を専攻。前職は大手化学メーカー。品質管理や商品製造設備の開発などに従事。

(4)第三生産技術部 K.N.
2018年入社。大学では応用化学を専攻し、環境化学を専門に学ぶ。建築材料メーカーを経てキオクシアに入社。

- まず、みなさんのお仕事について、教えてください。

Y.M.
2020年の10月に入社し、これまでのNAND型フラッシュメモリに代わる新規メモリデバイスの開発に取り組んでいます。最初の1年間はデバイス評価を担当し、現在は、プロセスインテグレーション業務に携わっています。具体的には、各ユニットプロセスを組み合わせ、より高性能かつ歩留まり良好なデバイス構造が実現できるような、プロセスフローの構築を行っています。

K.I.
私は次世代3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」のプロセス開発に携わっており、その中でもフォトリソグラフィのプロセス開発に取り組んでいます。3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」は様々な材料を用い作られますが、材料の組み合わせやプロセス最適化、新規材料の検討などを行い、大容量・高速・低消費電力のメモリ開発に取り組んでいます。インテグレーション部隊につなげる最適なプロセスを、我々ユニットプロセスの部隊が開発しています。

S.S.
生産性改善推進担当として、主に人員の効率改善業務を担っています。四日市工場は自動化がかなり進んでいますが、それでも実際機械を管理するのは人ですから、その負荷をいかに下げるか、管理の効率化を検討し、よりよい現場づくりのサポートをしています。システム構築と体制構築ですね。人員の効率化は、最終的には生産性の向上につながりますが、現場の方が働きやすいような環境を作る役割も担っています。

K.N.
私の業務は量産製品の生産効率改善です。不良の出現率を分析し対策を考え、効率的な量産計画を実現させます。具体的にはCMP(Chemical Mechanical Polishing)という研磨工程を担当し、製造装置の新規部材評価・不良箇所の分析も行います。現在四日市工場は第7製造棟までありますが、各棟で装置の台数や仕様は異なっています。こういった違いを理解し、生産の流れがスムーズに動くよう製造部と連携を取りながら、効率の良い量産体制を整えています。

- キオクシアに入社した理由ついて、教えてください。

Y.M.
前職では飛行機や高級スポーツカーのボディに使われる、炭素繊維の製品開発に携わっていました。軽量で強度に優れた素材ですが生産コストがデメリットで、その改善と量産化に向けた研究に取り組む中、過去のデータ活用が中心の業務に少し物足りなさを感じていました。より基礎研究に近いことをとの思いで転職か大学院に戻るか迷っていた時、キオクシアの求人を目にしました。新規デバイスの開発に携わることができ、論文投稿や学会で発表する機会もあると知り、自分が望む環境に近いのではと感じたのがきっかけです。

K.I.
前職では、自動車に用いられる材料の力学的物性評価に携わっていました。素材の高速引張試験など動的負荷の評価です。現在の仕事は前々職との親和性が高く、当時は情報電子分野に使われる材料開発に携わっており、半導体の知識もありました。材料を「いかに作るか」と「いかに使うか」。視点の違いはありますが、扱うものは共通しています。今は材料の提案を受ける側ですが、どんな材料を調整するか、またその比率など、可能性を自分でも考えることができるため、知識と経験を活かせる実感があります。

S.S.
最先端のものづくりに携わりたいと思ったのが、転職のきっかけです。半導体業界はまさにぴったりで、特にキオクシアは、日本を代表する半導体メーカーということで興味を持ちました。前職で生産管理や品質管理に携わっていた経験を活かし転職しましたが、品質管理と人の管理は異なるため学ぶことが多いです。キオクシアの四日市工場には現在約8,000名おり、拡大し続けています。日本最大級ともいえる規模での人員効率化は、関わる部門が多く情報のすり合わせも大変ですが、とてもやりがいがあります。

K.N.
前職では1年ほど、建築材料メーカーで営業をしていました。畑違いの分野から、しかも営業職からの転身でしたが「ものづくり」への憧れが強く、大学で専攻していた応用化学の知識を活かし挑戦しました。正直、半導体の知識は全くなく、第二新卒くらいの気持ちで入社しましたが、上司や先輩は「まだ大丈夫!」と温かく迎えてくれ、転職の決断が早かったのは良かったと感じています。三重県出身ということもあり、まず四日市工場の立地に惹かれました。前職は全国に転勤がありましたが、キオクシアはその可能性が低い点も魅力でした。

- 入社後感じた、キオクシアの魅力を教えてください。

Y.M.
最初に配属されたデバイス評価の部署は、半導体研究で博士号を持つトップレベルのエンジニアが多く驚きました。入社前は、自分も研究者として上位レベルで関われるとの謎の自負がありましたが(笑)、良い意味で期待を裏切られたというか、申し分ない環境で、ものづくりに携われることに誇りを感じます。半導体は「産業の米」といわれ、日本だけでなく世界の産業の中枢を担っています。そこで自分の力を試せるのはワクワクしますし、積み上げ型のNAND型フラッシュメモリにおいてキオクシアは確固たる技術力がありますが、次の段階へ向けて、次世代メモリの開発に第一線で携われるのは、キオクシアだから可能な貴重な機会だと思います。

K.I.
半導体はスマホやパソコン、テレビや自動車など、身の回りの様々な電子機器に必要不可欠で、特にキオクシアが製造するNAND型フラッシュメモリのニーズは高く、将来的にも安定した産業といえます。入社して感じたことですが、「原理原則」を大事にする社風で、そこにも魅力を感じています。たとえば、「改善効果が期待できます」といえば、必ずデータやロジックを問われます。個人差のある経験や感覚ではなく、論理的かつ明確にアウトプットする。それをいかに人に伝えるかも重要です。良いアイデアを持っていても、伝わらなければ意味がなく、説得材料を揃える大切さもキオクシアで学びました。「技術をつなぐ」という意味でも、大事なことだと思います。

S.S.
自分が実際に身を置くと、四日市工場の規模感に驚かされます。それにこの規模の工場を維持できている感動もあります。生産性改善に向け様々な部署の方とやり取りする上では、相手を説得できるかどうかは重要です。その鍵を握るのが、K.I.さんもおっしゃっていた、説得材料なんだと感じます。いかに人を巻き込んで、コントロールするか。上司や先輩方から勉強させてもらっています。自身にインプットされる情報も多く、調べれば調べるほど、知れば知るほど未知の情報が得られます。探究心が刺激され、日々発見があり楽しさもあります。

K.N.
異業界からの転職を受け入れてくれる懐の深さを感じます。入社当初上司や先輩のサポートは心強く、相談しやすい方も多いです。中途採用者に対する教育・研修も整っていて、半導体の知識がまったくない0からのスタートでも、しっかりと知識を身につけることができます。もちろん上司や周りの方の理解もあり「この研修は参加したほうがいいよ」とアドバイスをいただくことも。安心して学びながら働ける環境です。

- 今後のキャリアプランについて教えてください。

Y.M.
半導体メーカーにはファブレスのところも多いですが、キオクシアは設計開発から製造まで一貫して自社完結という貴重な環境があります。その中で、様々な業務に携わりジェネラリストかつスペシャリストとして、広く専門知識を身につけたいです。新規メモリ開発を引っ張っていける、世界で通用するエンジニアになるのが目標です。

K.I.
これまで材料開発などの経験を積んできましたが、デバイスに最適なプロセス開発においては学ぶべきことがまだまだたくさんあります。キオクシアは必然的に経験を積める、吸収すべきことがたくさんある環境です。長期的には、開発以外の部門での勤務も希望としてあります。チャンスがあれば挑戦したいです。

S.S.
まずは、現在の業務の第一人者になり、周りからの期待に応えたいです。現場寄りの仕事にも興味があります。きっと、生産推進の業務を深める上でも役に立つはずです。キオクシアは、選択肢が多い会社です。実際働いている人の経歴も多彩です。入社後の研修も充実していますし、社内インターンのような形で、他部署の業務を体験する方もいます。柔軟に働く場を模索できる土壌はあるのでチャレンジしたいです。

K.N.
個人の意見を尊重してくれる社風を感じます。私は最初、洗浄工程の開発に携わっていましたが、自分の強みを活かせないもどかしさから上司に相談したところ、現在のユニットへ異動が叶いました。CMPは自分に合っているので、腰を据えて頑張りたいです。将来的には製造へ、工場を回すポジションも経験したいと考えています。

- 最後に、入社を考えている方へメッセージをお願いします。

Y.M.
キオクシアは日本最大級の半導体デバイスメーカーで、世界と戦える数少ない企業です。巨大なマーケットの最前線で戦う面白さがあります。現在、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」の更なる積層化、高密度化に向けた開発が進みますが、この領域では、化学の知識や経験を活かせる機会が非常に多いです。向上心ある方で、いろいろなことに挑戦したい方はやりがいを持って働ける環境だと思います。

K.I.
入社して感じたのは、想像以上に化学関連の業務があるということ。プロセス技術はリソグラフィ、ドライエッチングや成膜、ウェット洗浄ほかガスを扱うこともあります。教育が充実しているので、異業界から中途で入ってきても学ぶことに対して周りの理解がありちゃんと育ててもらえる、溶け込みやすい環境もあります。半導体=電気という先入観は捨てて、ぜひ挑戦してください。

S.S.
統計学を用いた教育をはじめ、豊富な教育プログラムの用意があります。新人研修だけでなくキャリア転職者も、また勤続年数が上がっても継続して教育サポートが受けられるので安心です。四日市という街も、住みやすく程よく駅前も栄えていてON、OFF共に過ごしやすくおすすめです。

K.N.
キオクシアには、真面目な方が多いです。半導体はスピードを求められる業界ですから、スケジュール管理は重要です。製造にはいくつもの部署が関わるため、計画を厳守しなければ、他に迷惑をかけてしまいます。スピード感を求められつつも、ものづくりは一朝一夕には成し得ないので、粘り強く、深く追求する姿勢は大事だと思います。

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