キオクシアの四日市工場には、多様な専攻分野出身の若手エンジニアが集まっている。
半導体とはほとんど関係がないのに?!と思われる専攻や異業界出身の技術者も多い。
なぜ、さまざまな専門分野の理系人材に活躍のチャンスが拓かれているのか。
現場の最前線で活躍している若手エンジニア4名に、生の声を聞いた。
Member Profile
(上記写真 左から)
第一生産技術部 R.N.
2015年入社。愛知県出身。大学では機械工学を専攻。大学院は工学研究科で電力制御のシミュレーションを探究。サッカーが好きで、部署の仲間とフットサルを楽しんでいる。
第二生産技術部 H.K.
2013年入社。長野県出身。専攻は物理・数学。大学院の理学研究科でスーパーコンピュータを利用したシミュレーションの勉強に打ち込む。ドライブと音楽鑑賞が趣味。
第三生産技術部 S.Y.
2015年入社。大阪府出身。大学の生命環境学科で植物分子生物学を学ぶ。修士論文のテーマはミトコンドリア。趣味は音楽。学生時代の部活動ではクラリネットを担当していた。
第三生産技術部 T.Y.
2015年入社。宮城県出身。大学・大学院で材料工学を専攻。超電導材料をテーマに修士論文をまとめる。趣味は映画鑑賞。学生時代はボクシング部で鍛えていた。
01 実は、あらゆる技術分野とつながっている。
- 最初に、皆さんがキオクシア入社した理由を教えてください。
R.N.
機械系や強電系を勉強してきたので、半導体とは無縁でした。家電が好きで東芝に興味を持ち、調べていくうちにNAND型フラッシュメモリの世界的なメーカーでもあると分かって入社した、という感じですね。
S.Y.
植物学を学んでいたので、私もまったく関係ありません。ものづくりがしたいと思って就職活動を進めるなかで、ご縁があって。四日市工場を見学して、飛び抜けて大規模なスケール感に圧倒されましたし、世界で戦っている技術力も魅力でした。
H.K.
私はコンピュータ・シミュレーションの専攻を活かして、システム系の仕事に就こうと思っていました。最初に希望して、システムインフラを構築する部署に入ったので、専攻直結型ですね。でもその後、専攻直結ではないプロセス部門に移りました。結局、専攻はあまり関係なかったです。
T.Y.
超電導材料を研究していたので、私も畑違いのほうです。ただ、半導体のものづくりは、機械、電気・電子、化学や物理のプロセス、制御や情報処理のシステム、エネルギー、環境など、あらゆる技術が関連しています。材料や電気の専攻とつながると思ったし、NAND型フラッシュメモリはスマホから自動車まで、幅広く使われているでしょう。身近でいいなと感じました。
02 早くから、責任ある仕事を任せてもらえる。
- 現在、担当している業務について、具体的にお聞かせください。
H.K.
四日市工場の半導体製造プロセスのトータルプロデュースに携わっています。生産性を改善するためのシナリオづくり、不良品の発生を防ぐ対策などですね。次世代3次元フラッシュメモリを一日でも早く量産化するためのプロセス改善にも取り組んでいます。
T.Y.
私の部署はハードウェア、半導体製造装置の改善を手がけています。私が担当しているのは、シリコンウェーハに金属膜を形成するメタルCVDという工程です。プロセス側の要望に基づいて、装置の仕様の適正化、投資削減、省エネ化、トラブルシュートなどに従事しています。新しい生産ラインの立ち上げにも関わります。
S.Y.
CMP(化学的機械研磨)と言うのですが、シリコンウェーハの平坦化プロセスを担当しているチームに所属しています。量産に最適な条件を装置に設定して検証したり、装置を触って改善したり…。試験をしてデータをまとめて分析していくという進め方は、大学での生物学の研究と同じ手順をたどるため、そういった意味では学生時代の知見を活かせていますね。
R.N.
私の部署では工場のすべての装置を対象に、工場の運営全体を視野に入れながら、生産システムの最適化を図っています。私は、装置のメンテナンス・スケジュール管理システムを担当。目指しているのは、管理の高度化によるコスト低減・工期短縮です。
- そのなかで、いちばん働きがいを感じたのは?
T.Y.
入社2年目の昨年、四日市工場に初めて導入する製造装置を、開発部門と協力して立ち上げた体験です。装置メーカーと打ち合わせをして、仕様の策定、付帯設備の選定、価格交渉など、自分が主体になってイチから進めていきました。今、クリーンルームの中で動いているのですが、初めて目にした時は、それはもう感動! でした。
R.N.
1年目にいきなり、保全システムに組み込むツールをゼロベースで開発する主担当を任せてもらいました。規模感自体は小さなものでしたが、仕様を決めて予算を組むところから、一人ですべて取り組みました。なんとかリリースできた時に、社内ユーザーである製造部門の人から「良くなったね」と声をかけてもらえて、役に立てた実感が持てて嬉しかったですね。
S.Y.
私も1年目に新規半導体製造装置の導入を任されました。それまでより平坦化の性能が高いもので、制御のパラメータが多くて複雑で、設定・調整が大変でした。苦労したぶん、自分がラインに組み込んだ装置が、いま問題なく動いているのは、やはり感動ですね。研磨した表面を顕微鏡で観ることもできるので、自分が作ったという実感があります。
H.K.
平面の高集積メモリと3次元の高積層メモリの両方、かつ平面から立体へ移行する最新の流れを体感できたことです。世界の最先端でやっているんだ、日本の半導体のトップは私たちなんだという充実感があります。海外の学会に参加した経験もあり、常にグローバルに活動していると肌で感じます。
03 フラットな組織、働きやすい風土、成長できる環境。
- キオクシアの文化や風土は? 魅力を感じる点は?
S.Y.
教育研修の充実ですね。入社当初の導入研修はもちろん、勉強したいと望めば機会を与えてもらえます。私は昨年2ヶ月間、大分工場で直接ウェーハを目で見て手で触れて学ぶ実地教育を受けました。そのため、半導体知識はゼロからのスタートでしたが、そういった研修・教育のおかげで、ゼロからでも身に付けていくことができました。
H.K.
堅いイメージがあるかもしれませんが、実際はフラットでアットホーム。先輩や上司との距離も近くて、気軽に質問したり会話したりできます。私が希望を出して異動できたように、意見を聞いてもらえる風土も魅力でしょう。
T.Y.
キャリア入社の人も多いし、分野ごとに専門家がいて心強いですね。その道のプロを探して教えを請うて自分の力にして…を繰り返しながら成長できる環境なんです。
R.N.
新卒入社かキャリア入社かなんて、誰も気にしていないし、役職や年齢の壁も感じません。働きやすい、仕事を進めやすい職場だと思います。
- 近い将来、どのようなエンジニアを目指していますか。
S.Y.
新しい発想を打ち出し、周りを巻き込んで推進していく人です。今はまだ、前例を展開して、という仕事が多いけれど、それを超えていくなかで、きっと新しい景色が見えてくると信じています。
H.K.
経験や勘ではなく、ビッグデータの裏付けに基づいて動けるエンジニア、工場のプロセス全体について改善のシナリオを描けるエンジニアを目標にしています。
T.Y.
オリジナルのアイデアや考え方を組み込んだ「自分仕様の装置」を創りたいですね。
R.N.
AIやビッグデータなど先端技術を取り込みながら、稼働率を上げてコストを下げて、より良い工場をつくっていきたい。そうした活動を通して、会社の業績向上に貢献できる存在になりたいと考えています。
04 四日市工場で、一緒に未来を切り拓こう。
- 最後に、入社を考えている方へのメッセージを。
T.Y.
私たちのような若手の意見・提言にも耳を傾け、公正に評価してくれる会社です。年次・社歴関係なく「どんどん発言しろ。やってみろ」という文化ですから、自分を試したいと思っている人、野心を持ってチャレンジを続ける人に、ぜひ入ってほしいと期待しています。
S.Y.
年々、女性エンジニアが増えています。先頭に立ってチームをリードしている憧れの先輩、二人のお子さんを育てながら活躍中のワーキングマザーなど、将来目指したいなと思うロールモデルも揃っています。女性エンジニアを支援する環境も整っているので、一人でも多くの方の入社を願っています。
R.N.
私からは四日市の住環境について。四日市工場は、名古屋まで30~40分、大阪や京都にも1~2時間で行けます。セントレア(中部国際空港)も近いので海外にも行きやすくて、交通の便に恵まれています。伊勢志摩や湯の山温泉にも足を延ばせるし、いいところですよ。ぜひ、お待ちしています!
H.K.
私たちがつくったNAND型フラッシュメモリを搭載しているスマホやタブレットを、家族や友人が使っているのを目にする機会も多くて、「自分たちの技術が世の中の役に立っているのだ」と、モチベーションが上がります。「自分たちが日本の半導体を背負っている」という誇りを胸に、一緒に未来を切り拓いていきましょう。
※インタビュー内容は取材時のものです。(2017年取材)