先端メモリ製品開発の要となって活躍している、キオクシアの量産技術開発エンジニア。 実際に、どのような専攻の出身者がどのような仕事をしているのか。 どのようなことが仕事の醍醐味なのか、難しさとは、印象に残っているエピソードは…など、 最前線の現場で活躍中の5名に語ってもらいました。
Profile
第二フラッシュ製品技術部 Y.T.
2008年キャリア入社。岐阜県出身。大学の工学部応用化学科でセラミックなどを研究。前職は半導体向け基板メーカーで、生産技術、製品技術を担当。今までのキャリアをもっと大きなフィールドで活かしたいと入社。
第二フラッシュ製品技術部 A.I.
2009年新卒入社。新潟県出身。大学では情報科学、特に環境システムを探究。各専門分野のネットワークを作って課題を解決していくことを学ぶ。当社の量産技術開発職も横断的にものづくりの課題を解決していけるポジションだということに興味を持ち、入社。
第一フラッシュ製品技術部 N.K.
2013年キャリア入社。愛知県出身 。大学院修士課程で次世代半導体デバイス向け材料を研究。前職も半導体デバイスメーカー。6年ほど経験を積んだ後、半導体デバイス分野でも特に将来性を感じた当社に転職。
第一フラッシュ製品技術部 K.T.
2016年キャリア入社。熊本県出身。大学の専攻は機械工学。前職は半導体デバイスメーカー。先端技術に興味があり、ナノスケールの素子を扱うエンジニアを志望した。
第一フラッシュ製品技術部 H.H.
2010年新卒入社。北海道出身。大学は理学部で地学を専攻。学生時代の専攻は、半導体に全く関係のない分野だったが、大学時代は仮定で実験をしていくことに葛藤があり、現実のモノとなっていてわかりやすく、やりがいを持てる対象として半導体を選んだ。
※座談会の内容は取材時のものです。(2017年12月取材)
01 五人五様。量産技術開発の仕事は、実に多岐にわたる。
- 最初に、皆さんがそれぞれ担当している仕事について教えてください。
Y.T.
メモリ新製品の量産化を立ち上げるために製造ラインへ指示書を出したり、現場にサンプルを持ち込んで歩留りを改善するための問題解決を行ったりしています。第二部は後工程を担当しており、私は特定のお客様向けの製品を扱っています。組立、テスト、製造、信頼性評価といった関連部署とのやりとりが多いですね。
A.I.
私も第二部で、後工程の歩留り改善グループに所属しています。計画どおりの量と納期で、お客様に製品を供給できるよう、出荷前テストでの良品率を上げていく仕事です。量産中の製品のぼう大な検査データを可視化し、分析や不良解析を行いながら、関連部署のメンバーと改善策を講じています。
N.K.
前工程担当の第一部で、量産技術の確立を担当しています。開発と量産を橋渡しする立場で、新規開発されたプロセスをいろいろな条件で試しながら、量産に最適なポイントを見つけ出すのです。生産技術やプロセスインテグレーション、信頼性評価などの部署と連携して、チームワークを大切に、かつスピード感を持って進めています。
K.T.
私は1年ほど、SSDの信頼性技術に携わり、17年秋に第一フラッシュ製品技術部に異動しました。前工程のウエハーを対象に、信頼性の改善に取り組んでいます。車載用途など、ppmオーダーで信頼性の向上が求められるため、緻密なテスト・評価に努めているところです。
H.H.
私も信頼性の改善を担当しています。使っているメモリのデータが壊れないように、性能・品質を上げるため、関連部署と連携して実験ロットを作成・評価し、量産プロセスに落とし込みます。
02 様々な部署・人と、様々な工程に関われるのが、量産技術開発ならではの面白さ。
- いちばん働きがいを感じるのは、どのような時ですか。
A.I.
現在のグループで、新製品の歩留り改善にプロジェクトの最初から関わりました。前工程やテスト技術の人と協力して解析・分析を行うなど、新製品をイチから見ていけたのが嬉しかったですね。自分から協力をお願いすることで、周りの意識を変えていけたし、ちょっとした組織の改革にも結びつきました。私自身も、前工程やテストなど専門分野の知見を高めることができて、実り多いプロジェクトでした。
N.K.
品質改善業務を担当していた時、ある製品の不良率を減少するプロジェクトに参加しました。お客様への納期が迫っていたため、限られた時間のなかで、不良発生の少ないプロセス条件を見いだすべく、メンバーが一丸となって試行錯誤を重ねました。結果的に、目標数値を満額達成でき、その製品を搭載したスマートフォンが広く社会に出回りました。『力を合わせればできる』と肌で感じた喜びと、その時の人脈は今日まで、ずっと生きています。
Y.T.
中国の製造拠点に4年ほど駐在していた時、新製品の量産立ち上げに際し、前例のない不具合が見つかったのです。海外にいると、自分たちしかリソースがないこともあり、駐在していたエンジニアが部署を超えて連携し、全員で原因究明に当たりました。いろいろ条件を出して評価をして、悪戦苦闘の末に、ようやく原因を特定できた時の達成感は格別でした。当時はただただ大変な毎日でしたが、結果的にプロセス技術の強化にも結びついて、今はとてもいい経験ができたと思っています。
H.H.
私は、新しい製造装置の導入に関わった体験です。通常は、生産技術が担当する領域なのですが、製品の信頼性に大きく影響する装置だったため、私たち量産技術開発も導入に参画したのです。全員で手分けして、スケジュールを組んで、最適な条件設定を詰めていきました。装置のプロの生産技術とチームを組んだことで、装置の機構について理解が深まり、勉強になりました。さまざまな関連部署と関わりながら、幅広く専門知識を習得していけるのも、量産技術開発エンジニアの面白いところでしょう。
K.T.
私は別の半導体デバイスメーカーから転職したのですが、同業界から見ても、キオクシアは巨大な組織体で、業務も分野別に細分化されていますが、量産技術開発は全体を横断して、最も多くの部署と関わりを持てます。最新の多様な情報を共有でき、メモリ技術、メモリデバイスの最先端に触れながら、会社や製品を進化させていく原動力になれるのが、私には何よりの働きがいですね。
03 働きやすく、暮らしやすい四日市
- 会社の風土や四日市工場の環境はいかがですか。
Y.T.
四日市工場はスケール感が違いますね。設備投資に巨額を投じているので、次々に新しい工事が始まり、新製品も相次いで誕生しています。日々、ダイナミックな環境のなかで仕事に打ち込める充実感を満喫しています。
N.K.
ジョブローテーションやグループ間の異動も多いし、キャリア入社や転籍、新卒など、いろいろな経歴、いろいろな専門のエンジニアが集まっています。中途や新卒の区別とかまるでなく、みんな一体になって仕事に取り組めます。
A.I.
雰囲気もアットホームで風通しがいいですね。先輩や上司はもちろん、他部署のエキスパートの人にも気軽に質問できますし、みなさん快く応えてくださいます。
N.K.
内線で別部署の人から、自分の担当分野について質問が来る…というような光景も日常茶飯事ですね。
H.H.
北海道出身の私にとって、冬も暖かい四日市は本当に快適です。クルマ社会なので通勤ラッシュもないし、会社帰りに買い物に寄れるし、交通の便もいいと思います。
Y.T.
名古屋まで30分で行けるものね。大阪や京都にも出やすいし、セントレア(中部国際空港)にも近い。ほどほどに都会でほどほどに田舎、といった感じでしょうか。
N.K.
交通の便は本当にいいですね。この間もちょっと足を延ばしてK.T.さんと伊勢に釣りに行きました。また、有給も奨励されているので簡単に取得できますよ。
K.T.
ワークライフバランスを重視している会社なので、部門としてしっかりマネジメントされています。週に1度は定時退社日があり、休日出勤はほとんどありません。
A.I.
近くに新しい住宅街ができるくらい、工場の拡大に伴って四日市で働く人の数も増えています。マイホームを購入する人も多いし、子どもたちも同年代が多いので、土日は家族同士で一緒に遊んだりします。私も先輩社員のお家に遊びにいったことがあります。そうした点も含めて暮らしやすい環境だと感じています。
04 さまざまな専門/キャリアのエンジニアが活躍できる。
- 最後に、応募を検討されている方へのメッセージをお願いします。
また、ご自分の今後の目標も教えてください。
N.K.
量産技術開発は工場の顔です。設備投資も積極的に進めているので、自分たちの手で新製品をつくりあげていく機会に満ちています。半導体業界の経験は問いません。興味のある方は、ぜひアプローチしていただきたいと思います。私自身も、もっともっと大きなプロジェクトに参画して、業務のすそ野を拡げていきたいと考えています。
H.H.
ハードな面もありますが、それだけやりがいも大きいので、みんな楽しみながら仕事をしています。休日はハイキングに出かけたり、自然の中でリフレッシュできる環境もいいですよ。個人としての目標は、より深いレベルで量産技術開発を究めていくことです。
A.I.
量産技術開発は、幅広い技術分野にまたがっているので、どのような専門の人でも活躍できるチャンスがあります。実際、新しい人、異分野からの人も数多く入ってきているので、心配は要りません。それに、困難に出会っても諦めずにやり遂げる人ばかりなので、きっと触発されると思います。そうした中で私は、自分のプロジェクトを牽引できる存在を目指して頑張っています。
K.T.
最適なプロセスの構築、歩留りの向上、品質の改善など、業務が多岐にわたっているので、専攻や志向に合ったポジションが見つかります。エンジニア一人ひとりにフィットする環境があるので、ぜひ積極的な応募を待っています。個人的には、今の品質系業務を深掘りしながら人脈を拡げて、仕事のしやすい環境をつくっていきたいですね。
Y.T.
半導体に限らず、ものづくりの流れをひと通り経験したことのある方に、ぜひ来ていただきたいと願っています。私も別の分野から入りましたが、教育研修が充実しているので、挑戦するほどに楽しくやってこられました。目標は、新製品の後工程立ち上げ全体をマネジメントできるエンジニアです。さらに、中国駐在の経験もあるので、海外の製造拠点までサポートできるエンジニアを目指そうと思っています。